2024年3月8日 海外情報
元シンガポール駐在員が紹介!シンガポールってどんな国?
<シンガポールってどんな国?>
皆さん、シンガポールと聞いて何を思い浮かべますか?
マーライオン、マリーナベイサンズ、食べ物だったらチキンライス、チリクラブあたりでしょうか?
シンガポールはほぼ赤道直下にあり、年間を通して平均気温が年間を通じて26-28℃と温暖な気候で、東京23区とほぼ同等の国土に592万人程が生活しています。
民族構成は中国系(74.0%)、マレー系(13.5%)、インド系(9.0%)、その他(3.4%)と多民族国家で、公用語も英語、中国語に加え、マレー語、タミル語も使われているので街中でも色んな言語が聞こえてきますし、宗教も仏教、道教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教等が併存しています。
日本とも時差が1時間で地震や津波等の自然災害リスクが殆ど無い事、更には医療・インフラ環境も整備されている点からも日系企業の進出も多く、日本人の移住先としても人気です。
在留邦人は3万2,743人*(国別の在留邦人数でンガポールは11位)、日本にとって輸出額で第9位、輸入額では第5位の貿易額*となっており、アジアで最大の対日投資国なんですよ。
今回はそんなシンガポールについて皆さんにご紹介したいと思います。
*参考:外務省「海外在留邦人数調査統計」3万2,743人(2022年10月1日現在)
*参考:https://oec.world/en/profile/country/sgp?yearlyTradeFlowSelector=flow0
<シンガポールの物流事情>
シンガポールはマレー半島の南端に位置し、洋の東西を繋ぐ物流ハブ拠点として日夜多くの航空機・船舶が行き交っています。船便に於いてはシンガポール港は上海港に次いで世界二位のコンテナ取扱量を誇りますが、当部西部のTuas地区のバース(Tuasメガポートと呼称)を拡張中であり、段階的に港湾機能が集約される予定の為更なるキャパシティの向上が見込まれます。
*現在シンガポール港のターミナル合計コンテナ取扱量は約4,000万TEUですが、トゥアス・ターミナルでは約6,500万TEUを取り扱う事ができる見込み。
チャンギ空港は貨物空港として果たしている役割も大きく、過去12回に渡りワールド・ベスト・エアポート」に選出、「空港の食事」と「空港のレジャー設備」の2部門でも世界一のタイトルを受賞され、名実共にその地位を確立しています。
(チャンギ空港隣接の商業施設の中には屋内に作られた人工の滝としては世界一高い40mの滝が流れていて、屋内にいながら森林浴が楽しめる癒し空間です!)
そんなアジア太平洋地域における物流拠点として存在感を発揮するシンガポールの物流拠点としてのメリットとデメリットとは何なのか、其々見ていきたいと思います。
◆◆メリット◆◆
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充実した社会インフラ:
シンガポールは港湾施設、空港、道路網、通信インフラが整備されており、東南アジア諸外国に見られる様な交通渋滞や停電等は殆ど無い事、また税関システムも余程の事が起きない限りダウンする事もない事からシームレスな物流手配が可能です。
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政治的・経済的安定性:
政治的に安定し、透明性のあるビジネス環境を提供しています。 また、経済的にも安定しており、事業投資やビジネス展開に適した環境が整っています。
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税負担の軽さ・外資への優遇政策:
法人税の実効税率が17%と諸外国より安くビジネスを行う上での簡便な手続きや規制が整っている他、外国企業にとっては政府が管轄する施設の提供がある等外国企業にとって事業を始めやすい環境が整っています。
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ITインフラの整備:
信頼性の高いITインフラが整備されており、スマートテクノロジーやDX等のシステムを活用した物流サービスが進んでいます。
◆◆デメリット◆◆
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スペースの制約:
国土が狭いため、物流施設や倉庫の拡張に限界があります。 これにより、土地利用や製造業の拡張性に関する課題があります。
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高コスト:
シンガポールは生活費や労働コストが高い国です。 物流業界においても、人件費や物流インフラコストが周辺国に比べて高い為企業の新規投資は慎重になりがちです。
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競争の激化:
物流のハブ拠点であるシンガポールは外資・現地企業含め、多くの物流・倉庫・通関会社が進出している為通常他国より価格競争が激しいです。
これらの事から、地政学的有利性があるシンガポールですが、上述のメリットもデメリットを理解した上で事業進出・運営の経営判断をしていく事が求められます。
<シンガポール現地法人紹介>
続いて、物流拠点としてのシンガポールにて弊社ではどの様なサービスをご提供できるのか、また弊社事業拠点についてご紹介したいと思います。
アセアンハブとしてのシンガポールはその機能的役割から自国を起点とするIn/Out輸送以外にも海外から原料・材料を輸入、一時保管をして第三国に再輸出するスキームが一般的で、倉庫+海上/航空輸送等の複合輸送も多く取り入れられています。
それ故倉庫需要も高く、アセアン周辺国に比べPE(Permanent Establishmentの略、恒久的施設と訳される)等の税務リスクが低い事もあり、保税・一般・非居住者在庫のストックポイントして使われるケースが多いです。 また、コロナ禍で各国の行動制限やロックダウン等でサプライチェーンが分断された際にそのBCP対策としてシンガポールを起点としてインドシナ・マレー半島への調達・供給が行われる等、その存在感を一段と強めました。 近年ではRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement)*が施行された事もあり、近隣周辺国との貿易取引拡大が見込まれる事から、益々同国への関心が高まっています。
*RCEP:日本を含むアジア・太平洋地域の15か国が参加する大きな経済連携協定
<弊社シンガポールの現地法人の事業拠点情報>
- 【メインオフィス】
15 Changi Business Park Crescent #04-10 Haite Building Singapore 486006 - 【エアポートオフィス】
7 Airline Road #01-16 Cargo Agents Building E Singapore 819834 - 【バタムオフィス】
MOL Logistics (Singapore) Pte. Ltd. Batam Office C/O PT. INTI MARITIM SENTOSA
Komplek Tanjung Trisakti No.C7, Sei Panas, Pulau Batam Indonesia
<弊社シンガポール現地法人の強み>
①船用品/重量貨物(ヘビーカーゴ)
商船三井グループ各社からの依頼を含め、船用品等の取扱も多く、これらは一時的にシンガポールに輸入されFTZ(Free Trade Zone)倉庫で保管したのち、直接港へ輸送します。
船用品等については、Transhipment permit (Bonded permit)を申請することで、輸入者は免税待遇を受けられますが、こうした通関手続きから寄港船への配送までの一連の手配に熟知しており多数実績がございます。
また、ヘリコプター輸送も請け負っており、特殊貨物の荷下ろし・積み込み立ち合いも実施しており、お客様へ高品質なサービスをご提供しております。
②国際引越し
近年は日本人駐在員向けの海外引越にも注力しております。 下見から荷物の引き取りまで日本人が対応するため、(実際の搬出入作業はローカルスタッフが実施)駐在員のご家族様からも安心してお任せできるとご好評を頂いております。
③シンガポール-バタム間輸送
メインオフィス(チャンギ・ビジネスパーク)とエアポートの保税地区にある倉庫兼オフィスの他、バタム島(シンガポール至近のインドネシア領)にも管轄のオフィスを設けており、在バタム島のお客様の工場から出荷された製品をシンガポール経由で輸出したり、或いはバタム島への輸入案件なども日常的に対応しております。 バタム島、シンガポール両国間のスムーズな通関手続き、及び最終仕向地の国内配送までを一貫手配ができる点、リードタイムを考慮したスピーディーな物流サービスを提供しております。
<最後に>
シンガポールの地理的ロケーションから物流事情と絡めて読み解いてきましたが、如何でしたでしょうか。
アジアの主要貿易ハブ拠点として国際的なビジネス環境が整っており、その機能的役割からもシンガポールからは益々目が離せません。
商船三井ロジスティクスではお客様のニーズに合わせた最適な輸送手段を提供し、コスト低減、リードタイム短縮に繋がるトータルソリューションのご提案をしております。些細な事でも構いませんので、ご用件がお有りの際はお気軽にお申しつけくださいませ!
<参照元>
・「概況・基本統計 | シンガポール - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ」(https://www.jetro.go.jp/world/asia/sg/basic_01.html)
・「DOS | SingStat Website - Singapore International Trade」(https://www.singstat.gov.sg/modules/infographics/singapore-international-trade)
・「The Observatory of Economic Complexity」(https://oec.world/en/profile/country/sgp)
・「Singapore (SGP) Exports, Imports, and Trade Partners | The Observatory of Economic Complexity」(https:/oyokeizai.net/articles/-/699594?display=b)