2022年9月5日 物流サービス
シンガポールを起点とした日本発着SEA & AIR輸送サービス
新型コロナウィルスの各国での感染拡大に伴うロックダウン等の措置による影響は、物流業にも大きく波及しました。
海上コンテナ輸送においては、スケジュールの乱れ、大幅な遅延や運賃の高騰等が著しく、改善の兆しが未だない状況です。
特に日本発着の欧州・南米・アフリカ・中東向けに関しては、中国や台湾等の港を寄港・本船積み替えをすることが、遅延の大きな要因と想定されています。
そこで本記事では、アジアの玄関とされるシンガポールを起点とした、日本発着のSEA&AIR輸送サービスをご紹介いたします。
1) イタリア発日本向け SEA&AIRを利用し納期遅れを解消
アパレル商材を取り扱われるお客様が、イタリアのジェノバから日本向けに40FTコンテナを手配されました。
しかし積み替え港のシンガポールにて、日本向けの接続船に積載が出来ず1か月近く滞貨となっておりました。
商材的にもこれ以上の納期遅れが許容できないとのことで、輸入者様よりご相談いただき弊社でシンガポールから航空便へ輸送方法を切り替えて手配を致しました。
最終的には1週間以内で海上貨物から航空貨物への切り替え、保税手続きを完了させ、日本へ空輸し、納品することができました。
保税貨物の状態での海上貨物から航空貨物への切り替えは、一般的に時間を要する案件です。
しかし、EPA適用案件の場合でも、シンガポール税関の保税転送に関する証明書を発行することで、特恵関税を適用して輸入申告が可能となりました。
2) 日本発中東向け海上輸送における代替輸送
ピークは越えたと報道されているものの、全世界でコンテナ不足は継続しておりブッキングが取りづらい状況が続いています。
業界紙では北米向けのコンテナ不足と運賃高騰が常に報道されていますが、中東向けのコンテナ不足とブッキングの問題も深刻な状態でした。
コンテナの予約が取れないため航空輸送への切り替えも検討される荷主は多いですが、全量航空輸送は輸送費が高額になる為、なかなか決断することが難しい状況です。
弊社も神戸港からヨルダンのアカバまでの輸送にお声がけをいただいておりましたが、例にもれず希望本船のブッキングが取れず、また全量航空輸送の費用も高額になるため決断が難しい状況でした。
本件にて弊社からお客様へご提案をさせていただいた方法は、日本からシンガポールへ航空輸送、シンガポールからヨルダンまで海上輸送をする方法です。
シンガポールからヨルダンまでは、途中の港で積み替え作業が行われない直行便サービスがあります。
且つこの直行便サービスは港湾のバース混雑が深刻な中国や他の東南アジアの港を寄港しないため、遅延のリスクを最小限に抑えられるメリットもあります。
本件は日本からシンガポールまでは空輸、シンガポールからは直行便での海上輸送を手配したことにより納期への大幅な遅れを回避することができました。
また、現在の物流が混乱している状況において、コストを抑えつつ輸送ルートが限られた案件の手配を完遂したモデルケースとなりました。
シンガポール経由SEA&AIRのサービスは、日本からの輸出案件、ならびに輸入案件共に実績は豊富にございます。
向け地変更や輸送方法の切り替えなど、手配可否についての追い合わせも歓迎しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。