2024年1月5日 その他
あけましておめでとうございます!2023年の主な出来事、2024年のトピックスは?
新年明けましておめでとうございます!
2023年は当ブログはじめ、商船三井ロジスティクスをご愛顧頂きありがとうございました。
2024年も何卒よろしくお願い申し上げます。
<2023年を振り返る>
皆さまにとって2023年はどのような1年だったでしょうか。
新型コロナウイルスの影響もいよいよ薄らぎ、人の往来も戻ってきた2023年。物流業界では以下のようなことがありました。
■国際情勢不安による影響
2022年から始まったロシアによるウクライナ侵攻は、解決の糸口が見えないまま長期化しております。日本発着の欧州向け航空機はロシア上空を通過せず、南北に航路をずらして飛行しており、フライトの長時間化は続いています。
イスラエル・パレスチナ問題に関連しても緊張が高まっています。紅海を航行中の自動車船の拿捕や、コンテナ船への攻撃などが発生しており、スエズ運河・紅海というアジアとヨーロッパを繋ぐ重要なルートを避け、喜望峰経由への航路変更やサービス停止等の対応が出ております。
■パナマ運河の干ばつ
もはや異常とは言えなくなってきた気候の変化に関しても物流に影響を与えた1年でした。
エルニーニョ現象により降雨の時期がずれてしまったパナマでは、ガトゥン湖での水位が低下しました。閘門(※1)を利用しているパナマ運河では、通行の際にこのガトゥン湖の水を多く消費する為、水不足が通行できる船舶の数や、喫水(※2)に大きく影響します。継続的に運河の通航待ちの滞船が発生し、アジア-大西洋・北米東岸港を結ぶルートでも混乱が生じました。
※1 閘門(こうもん):水位の異なる河川や運河において、門で仕切った区画の水面を昇降させ、高低差のある地点での船を行き来させる仕組み。
※2 喫水(きっすい):船が浮いている際の水面と船底までの垂直距離。積載量が多くなるほど、船は沈み喫水は大きくなります。
■名古屋港におけるシステム障害
7月に発生した名古屋港でのシステム障害も記憶に新しいかと思います。コンテナターミナルを管理するシステムがランサムウェア型のサイバー攻撃を受け、コンテナの搬出入が一時出来なくなる事態となりました。数日でシステムは復旧し、オペレーションも通常通りに戻りましたが、日本でも有数の貨物量を誇る名古屋港で起きたサイバー攻撃は、セキュリティ対策の重要性を痛感する出来事でした。
<商船三井ロジスティクスの2023年は?>
商船三井ロジスティクスでは、2023年には下記のようなトピックスがありました!
2月には、約10年ぶりに本社を移転しました。
新オフィスではフリーアドレスやコミュニケーションスペースを導入するなど働きやすさの向上を図るとともに、ペーパーレス化の一層推進やCO2フリー電力の導入など環境保全にも取り組んでいます。
■新拠点の開設・グローバル展開
2023年においても世界各地にて新たな拠点を3か所開設しており、併せて26か国139拠点となりました。(2023年12月時点)
・6月 インド・コルカタ事務所開設
https://www.mol-logistics-group.com/info/202306231730/
・6月 インド・ヴィシャーカパトナム(バイザック)事務所開設
https://www.mol-logistics-group.com/info/202306231728/
・8月 ベトナム・ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP2)事務所開設
https://www.mol-logistics-group.com/info/202308081806/
アフリカでは、現地物流企業との提携や自社倉庫運営、ジャパンデスクの設置など、サービスの拡充を行いました。
・6月 東アフリカの物流大手GCS Velogic社と戦略的提携に向けた覚書を締結 ~アフリカでの物流サービスを強化~
https://www.mol-logistics-group.com/info/202306121705/
・9月 ケニヤ・ナイロビ 物流ジャパンデスクの設置と倉庫運営を開始
https://www.mol-logistics-group.com/info/202309011834/
今後も世界規模で物流ネットワークを整備・拡大し、更なるサービス品質の向上に努めてまいります。
その他各国の拠点のご確認はこちらから☞ Global Network
<2024年の注目点>
2024年には、物流業界にとって重要なイベントが控えています。
■2024年問題
2019年4月に労働基準法が改正されたことにより、時間外労働の上限が設定されました。長時間労働の是正に時間が掛かるとして、医療従事者、建設業などと共に運送業は5年間の猶予が認められておりましたが、その期限を2024年3月末に迎えることになります。
トラックドライバーの労働環境は改善する一方で、稼働時間の制限により、輸送キャパシティの減少・輸送コストの増加などが見込まれます。
トラック輸送に加えて、海上輸送や鉄道輸送を組み合わせて活用する事で、2024年問題にも対応するとともに、CO2排出量の削減など環境問題にも取り組むことができます。
モーダルシフトとは?2024問題とCO2削減に向けての対策
https://blog.mol-logistics-group.com/blog/knowledge/modalshift
■北米東岸港湾の労使交渉
北米東岸港湾の労使協定は2024年9月末をもって契約が満了となり、新たな労使協定を結ぶべく労使交渉が行われることとなります。
1977年交渉時の大規模ストライキ以降、大きな混乱を生じて来なかった北米東岸港湾の労使交渉ですが、2023年に妥結した北米西岸港湾の労使交渉同様にターミナルの自動化が争点の一つとなっており、また近年のインフレ加速に伴う賃上げの流れや世界各港で見られたストライキの実施など、交渉が難航してストライキに発展することも想定されます。
こうした動きは随時注視して参りたいと思います。
<最後に>
新年早々に発生した能登半島地震や羽田空港での事故など、大きな出来事からスタートした2024年。
被災されたみなさまに心からお見舞い申し上げます。
様々な課題も待ち受けている2024年ですが、十二支の中でも縁起が良いとされる辰年です。
昇り龍のように皆さまにとって飛躍の多き年になりますことをお祈り申し上げます。