モーダルシフトとは?2024問題とCO2削減に向けての対策
<モーダルシフトとは>
多くの企業が持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めている昨今、モーダルシフトを推進する企業が年々増加しています。
モーダルシフトとは、従来、トラックで長距離輸送していた手段を、CO2の排出量が少なく、環境にやさしい輸送(modal)である海上や鉄道へ転換(shift)することです。
<何故、モーダルシフトが注目されるのか?>
① 環境意識の高まり
地球温暖化の原因と言われているCO2の排出量を削減するため、世界各国で様々な取り組みが行われています。物流業界も例外ではなく、如何にCO2を出さないような輸送を手配するか、各社が知恵を絞っている状況です。
国土交通省が公開している資料によると、1トンの貨物を1㎞輸送する際に発生するCO2(g)排出原単位は、営業用貨物車の216に対し、船舶は43と規定されています。陸上輸送を海上輸送に切り替えることで、CO2を約80%削減することが可能となる為、近年海上輸送を絡めた海陸一貫輸送に注目が集まっています。
因みに、海陸一貫輸送とは、陸上輸送と海上輸送を組み合わせ、荷受地から荷渡地までのdoor to door輸送を手配するサービスのことです。輸送には、フェリーシャーシと呼ばれるトラクターヘッドと切り離しができる車輛を使用、海上輸送中はフェリーシャーシのみが乗船し、目的地に向けて運ばれて行きます。
また、一般的なフェリーシャーシの内容積は約69㎥と、10トン車の約53㎥を大きく上回っていることに加え、積載重量も約20トンあり、通常のトラック輸送と比較し、一度に多くの貨物を輸送することが可能です。
以下は商船三井フェリーのホームページからの抜粋ですが、東京都江東区から福岡市博多区まで20トンの貨物を輸送する場合、陸上輸送をフェリーシャーシを使用した海陸一貫輸送に切り替えることで、CO2排出量を約76%削減することに繋がります。
② 2024年問題
最近になり、物流専門の媒体のみならず、一般メディアまで「2024年問題」を取り上げるようになってきました。「2024年問題」とは、2024年4月より、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることで、荷物を運びきれなくなる懸念があることです。
働き方改革関連法が2019年に施行され、一般の労働者には年間720時間の残業上限規制が導入されましたが、ドライバーについては2024年までの猶予期間が設けられると共に、一般の業種を200時間上回る960時間が上限規制として設定されました。
しかしながら、全日本トラック協会の調査によると、会員企業の約3割が、時間外労働時間が960時間を上回るドライバーがいると回答。また、運転距離が300㎞以上に及ぶ長距離ドライバーに限ると、その割合は5割近くに達していることが分かりました。
野村総研が2023年初頭に発表した試算(※)では、全国平均で、ドライバー数ベースで25年に28%、30年には35%の荷物を運びきれなくなる可能性があることが指摘されています。
また、残業時間が短縮され、給与が減少することに伴い離職するドライバーが増加、2024年問題に拍車がかかることや、ドライバーを確保する為の給与を引き上げにより、陸上輸送費が上昇することも懸念されています。
海陸一貫輸送はトラクターヘッドと着脱可能なフェリーシャーシを利用、海上輸送区間はドライバーが運転する必要がない為、2024年問題の影響を最小限にとどめることが可能です。
※(株)野村総合研究所 2023年1月19日付
「トラックドライバー不足時代における輸配送のあり方」
<MOLグループの内航船ネットワーク>
商船三井グループは、北海度-北関東間、関東-九州間、及び関西-九州間で複数のフェリー、及びRORO航路を運航しており、定時制に優れた安定的な長距離海上サービスを提供しています。
意外に思われるかもしれませんが、海陸一貫輸送の所要日数は陸上輸送と比べても遜色が無いケースが結構あります。例えば関西-九州間のフェリー航路は、夕刻に出航し、翌日早朝に目的地の港に到着、下船後、現地のトラクターヘッドに接続の上、目的地に向かって走り始めますので、基本的に集荷の翌日に貨物をお届けすることが可能です。
また、関東⇔九州間におきましても、集荷の翌々日に配送が可能です。
<MOLグループの一貫輸送手配会社>
内航ネットワークを活用して、door to doorの輸送を組み立てるのが一貫輸送会社です。MOLグループの一貫輸送会社である、宇徳ロジスティクスは関東、北海道、東北、九州を拠点に事業を展開しております。
宇徳ロジスティクスはMOLグループの内航輸送ネットワークを活用し、一貫輸送サービスを提供する他、グループ以外の航路網を利用した、最適ルートによるご提案も行っております。
モーダルシフトについての資料は下記よりダウンロードが可能です。
<お問合せ>
CO2を削減を目指し、環境に配慮した輸送ルート構築の検討を始めたい、早急に2024年問題の対策を始めたいというお客様、さらに詳しい内容を知りたいお客様がいらっしゃいましたらお気軽に下記より商船三井ロジスティクスまでお問合せ下さい。
商船三井グループの宇徳ロジスティクスや商船三井フェリー等と協働し、お客様のニーズに沿った最適な輸送案を検討致します。