2023年10月6日 海外情報
曜日によって色が違うのです! ~インドネシアの多様な制服文化と歴史を紹介~
社会人となった今では、考えることも少なくなってきましたが、みなさんは学生のころの制服を覚えていますか?
最近ふとした会話の中で話題となり、思い出したのですが、インドネシアでは曜日によって異なる色の学校の制服を着ています。
インドネシア国籍の私が現地で暮らしていた14年間、当たり前のように毎日別の色の制服を着ていたため、どうして色が違うのかな~など微塵も考えていませんでしたが、これを機に少し調べてみました!
今回のMLGブログは物流とは関連のないお話になりますが、気休めにご紹介させてください。
<インドネシアはどんな国?>
インドネシアは東南アジア南部に位置しており、17,500以上の島々が存在する、世界最大の群島国家です。
首都はジャワ島に位置するジャカルタ首都特別州ですが、2024年からカリマンタン島にある「ヌサンタラ」へ順次首都機能が移転することが決まっております。
日本とインドネシアは1958年の国交樹立から65年が経ち、経済だけでなく、文化や人物交流の面でも幅広く友好関係を築いてきており、インドネシアには1,400社ほどの日系企業が進出しております。
当社も1995年にジャカルタに進出しており、お客様の物流のサポートをさせて頂いております。
インドネシアから見ると日本は輸出相手国では第3位に入り、石油・ガス、鉱物性燃料などを輸出しています。(※)
※JETRO調べ
<なぜ曜日によって制服が違うの?>
上記でもお話ししたように、インドネシアは17,500以上の島からなり、また公用語以外にも約700の言語、約400の民族、約6つの宗教で構成されており、とても多様性に富んだ国です。
そんな多様なインドネシア国民を一つにまとめていくにあたり、インドネシアの国是では、「Bhinneka Tunggal Ika (ビネカ トゥンガル イカ)」、すなわち「多様性の中の統一」と提唱されており、国民を統一するために考えられた1つが「制服の色」となります。
色だけでなく、インドネシアはイスラム教徒が多くを占め、イスラム教徒学校に通っている女子生徒は露出控えめな制服になる傾向があります。
制服の色は小学校、中学校、高校で異なっており、今となっては何色を着ていたのか記憶も薄れてきていますが、頑張って記憶を辿ってみました。
<曜日別制服を紹介します!>
月・火
月曜日と火曜日は、上は白シャツで、下は小・中・高校とそれぞれ異なる色のパンツとスカートを着用します。色が異なるため、見かけると一瞬で違いがわかります。
その色にも意味があり、学年の「イメージカラー」として選ばれたものだそうです。
- 小学生
赤色
高い活力、元気さを表しており、小学生は元気もりもりです!という印象を与えます。 - 中学生
紺色
自信と自立性を表しており、ティーンエイジャーの一員になったことから、一人でできることも増え、自己表現もできるのだよ!という印象を与えます。 - 高校生
灰色
年齢に応じて、落ち着きと大人っぽさを表しています。
大学生になる一歩前、元気もりもり小学生から落ち着きのある大人になりました!のような印象ですね。
水・木
水曜日と木曜日は、 学校によって異なるところもありますが、インドネシアの文化を守るため、ろうけつ染め布の「バティック(Batik)」シャツを着ます。様々な色や柄のバティックもまた、「多様性」を表しています。 学校指定のバティックにはなりますが、学年による色の違いはありません。
金・土
金曜日と土曜日は、プラムカ(Pramuka)と呼ばれるボーイスカウトのような組織の制服で、茶色い制服を着用します。
少し歴史の話になりますが、オランダ植民地支配時代の1912年に、オランダ人のVan der Boschによってボーイスカウトが紹介され、1921年頃には「プラムカ」として、インドネシア人 へ浸透していきました。 Pramukaは「Praja Muda Karana」の略で、日本語では「新しい発明をすることが好きな若者たち」と言う意味になります。
この歴史を忘れてはいけない一出来事として、今では学校の制服の1つとして導入されています。
<特定の日に着る制服>
- 国旗掲揚式
月曜日は国旗掲揚式があり、中高生は上下白の制服を着ることもあります。
この白色は、紅白のインドネシア国旗掲揚を遂行する上で、純白を意味することで選ばれたとのことです。
- 宗教の行事
宗教の行事がある日には任意で伝統服を着ることとされております。 例えば、バリ島では毎週木曜日に伝統服を着用することが近年のルールの1つとされております。
これはインドネシアの文化が薄れてきていることを危惧し、政府が様々な方面から働きかけた結果です。
<インドネシアの制服には歴史や文化から>
歴史や文化が根強く反映されているインドネシアの制服ですが、いかがでしたでしょうか。
多様性があるからこそ、制服にも多様性を見いだしてきているのかもしれませんね。
曜日を間違えて異なる制服を着て行ってしまうことももちろんあり、学校で目立ってしまうこともしばしば・・・洗濯をする親も大変そうでした。
高校卒業後は、友達と制服に落書きをする風習があり、 「義務教育の12年間終わったよ、お疲れ様!」 のような儀式となっています。
私の制服も今となっては落書きだらけです (笑)
<インドネシア現地法人紹介>
当社ジャカルタ駐在員事務所は1995年12月開設し、2013年3月に現地法人を設立しました。ジャカルタに本社を置き、倉庫会社としてマルンダ(Marunda)、パレンバン(Palembang)に倉庫を構えています。
日本人駐在員もおりますので、日本語でお問い合わせも安心してお任せいただけます。
今回は気休めのブログとなりましたが、私ども商船三井ロジスティクスは多様化する物流ニーズに応え、アパレルや他貨物なども含め最も効率的かつ高品質な輸送サービスをご提供しております。
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