2024年9月2日 物流の基礎知識
【輸入担当者必見】基本がわかる!デマレージとディテンションの違いとは?
デマレージとディテンションは、海上輸送に係わる方なら必ず聞いたことがあると思います。デマレージとディテンションは、一言で言うとコンテナに関連する遅延や利用期間の超過に対する料金で、コンテナ本数や超過日数によっては大きな追加コストとなってしまう場合があります。
デマレージ、ディテンションは輸出・輸入を問わず発生しますが、本記事では、輸入に焦点をあててデマレージとディテンションについて詳しく解説しています。
<デマレージとは?>
デマレージ(Demurrage)とは、輸送された貨物が港に到着した後、各船会社が定めた無料保管期間を超えてコンテナが港に留まる場合に課される追加料金です。無料保管期間が過ぎると、日割りでデマレージ料金が発生します。
デマレージは主に、輸入地側で手続きがスムーズに進まなかった場合に発生します。例えば、通関手続きが遅れたり、通関書類や必要な書類を準備していなかったりすると、貨物が港で留置きされることとなり、その結果、フリータイムを超えた場合はデマレージ料金が発生します。
<ディテンションとは?>
ディテンション(Detention)は、コンテナが港から引き取られた後、各船会社が定めた無料利用期間を超えて、輸入者がコンテナを保有し続けた場合に発生する料金です。輸入者がコンテナを返却するまでの間、日割りでディテンション料金が発生し、これもデマレージと同様に、時間が経つにつれて料金が増加することがあります。
ディテンションは主に、貨物を輸送するトラックの手配が遅れたり、輸入者が貨物を迅速に荷降ろしできなかった場合に発生します。
<デマレージとディテンションの違い>
デマレージは『コンテナが港に留まっている期間に対して発生する料金』であり、ディテンションは『コンテナが港から引き取られた後、輸入者が保有し続ける期間に対して発生する料金』と言えます。
要するに、デマレージは港での遅延に対する料金であり、ディテンションはコンテナ返却の遅延に対する料金です。
大きく違う点として、デマレージは非課税ですが、ディテンションは課税対象となります。
船社や積み地によってはデマレージ、ディテンション発生までのフリータイムをコンバインし、カウントする場合もあります。
<デマレージとディテンションの日数の違い>
デマレージやディテンションの日数や料金は、船会社、国、港、さらにはコンテナの種類によって異なるため、毎度同じ条件・金額ではないことを理解しておくことが大切です。
以下で違いについて詳しく説明していきます。
- 船会社ごとの違い
船会社によってデマレージやディテンションの日数や料金の設定は異なります。
また船会社によって起算日が異なる場合もあります。例えばある船会社はコンテナが陸揚げされた時を1日とカウントする場合もあれば、別の船会社では陸揚げされ、CYに搬入された翌日からカウントする場合もあります。
また、土日祝日等のカウントも異なっており、特にゴールデンウイークや年末年始等、長期休みの際のカウント方法については要確認です。
- 国や港ごとの違い
デマレージやディテンションの日数は、貨物が到着する国や港によっても異なります。各国や港は、それぞれ独自の規制や運用基準を持っており、これが無料保管期間や追加料金の発生に影響を与える場合があります。
- コンテナの種類による違い
コンテナの種類も、デマレージやディテンションの日数に大きく影響します。
一般的な20フィートや40フィートのドライコンテナと比べて、リーファーコンテナやフラットラック、オープントップコンテナ等の特殊コンテナは、フリータイムが短く設定されることが多いです。
リーファーコンテナの場合は、温度管理が必要なため、港での保管が特にコスト高になりやすく、早期に引き取りする必要があるからで、オープントップやフラットラックはスペースがかさばることからスペースがなく、早期引取をする必要があるためフリータイムが短く設定されています。
<デマレージとディテンションのコスト発生を防ぐには事前準備が重要>
以上のように、デマレージやディテンションの日数は、船会社、国、港、コンテナの種類など、さまざまな要因によって異なります。そのため、書類・通関の準備やコンテナの引取のスケジュール調整等、事前準備がコスト発生を防ぐためには大切です。
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