2022年7月15日 物流の基礎知識
貨物と同じくらい大事!?海上B/Lについての基礎知識
MLG BLOGにお越しいただき有難うございます。
本日は国際物流において、もっとも重要な書類の一つであるB/L(Bill of Lading) についてお話させていただきます。
普段私たちがコンビニや郵便局で荷物を発送する時、荷物だけ持って行っても送ることはできません。
送り主、届け先、発送品などを記入した配送伝票が必要です。
貿易においてもその流れは同じです。
貿易において配送伝票にあたる書類には、B/L(Bill of Lading : 船荷証券)、Waybill(貨物運送状)があります。
このB/LやWaybillは、インボイスやパッキングリストと並んで最も重要な書類のうちの1つです。
では、B/Lとは貿易上どんな働きをするのか学んでいきましょう
<B/L(船荷証券)とは何か?>
個人で荷物を配送するときは、基本的には自分で伝票に情報を記載します。
B/L(Bill of Lading) は船会社が輸出者に対して発行する書類で、通常荷主から貨物を受託し、船積み後に発行される書類です。
B/Lには何が書かれているか見てみましょう。
①運送人名
③荷送人名(輸出者)
④荷受人(輸入者)
⑤貨物の到着案内先
⑥貨物の受取地
⑦本船名
⑧船積港
⑨陸揚港
⑩貨物引渡地
⑪貨物詳細欄
(コンテナ本数、貨物個数、総重量、総容積、HSコードなど)
⑫B/Lの発行枚数(通常3通)
⑬B/Lの発行地および発行日
⑭運送人の署名
⑮船積年月日と本船の署名
内容を見ると、普段個人で荷物を届ける時にも必要となる情報が網羅されています。
ここで重要なのが、B/Lはただの伝票ではなく、以下の4つの性質を持った書類であることです。
①貨物の受領証
②運送契約の証拠
③貨物の引渡し証
④流通性がある有価証券
1通の書類がタイミングと立場によってその役割が変わります。
・輸出者から貨物を引き取った時=受領証
・輸入者が貨物を引き取る時=引渡し証
・輸出者がL/C決済で銀行に買取を依頼する時=有価証券
B/Lは貨物と同等の価値を持つ大変重要な書類であるということがわかります。
<Waybillとは何か>
B/Lと同じく、①貨物の受領証、②運送契約の証拠の性質を持っており、記載されている内容も同じです。
ただし、「有価証券ではない」という決定的な違いがあります。
このWaybillについては別のブログで詳しくお話させていただきます。
<まとめ>
B/Lはこれだけの役割、特に有価証券の性質を持っているため、万が一紛失した場合には再発行に大変複雑な手続きが必要になります。
さらに深堀すると、B/Lにも種類があり、取引をするうえで「Surrendered B/L(サレンダードB/L)」や「(Sea) Waybill(貨物受取証)」を使う機会も出てくるかと思います。
次のブログでは「Surrendered B/L」と「(Sea)Waybill」についてお話させていただきます。